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進め、癒しの “ビッグチュン”

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モリコロパークでながくて観光交流大使のスズメがデビュー

長久手市観光交流協会のシンボルマークに今春、みごと選ばれたスズメ。そのスズメの着ぐるみが家族連れでにぎわうゴールデンウィークの5月1日、モリコロパークをチュンチュン跳ねながら飛び歩き、「観光交流大使」としてデビューを飾った。

スズメは町中ならどこででも見られる小鳥。そのありふれた日常の温かさが「ふるさと長久手にふさわしい」と、観光交流協会の独自の視点でシンボルマークに選ばれ、ホームページのロゴやイベント用の法被、協会発行のステッカーなどに登場させることになった。
折しも、2009年の長久手市文化の家主催の「ながくてアートフェスティバル」に高さ6メートルの巨大なスズメ・バルーンを出品したのが、尾張旭市出身のデザイナーで、株式会社・鳥(東京都国分寺市)の「社鳥」杉浦裕志さん。「ぜひ、観光交流大使に」とお願いしたところ、快諾を得てモリコロパークで全身スズメのいでたちで登場してもらうことになった。

一見怖くて最後は人気

イベント当日、杉浦さんは「スズメット」と名付けたヘルメットをかぶり、空気で膨らませたナイロン製の「ビッグチュン」の着ぐるみにまたがって、場内を跳ねながら歩いた。
ところが、スズメットの目だけがちょっと怖い。お客さんからも「こわい、こわい」と警戒されると、不意に近づいて胸につけたボタンを押す。すると思いがけずピヨピヨとかわいい鳴き声。
次第に警戒心がほどけてまわりからは「何これ?」「かわいい」と声がかかると、「長久手の新しい観光交流大使です」と周りのスタッフがすかさず声を飛ばした。会場内を一周する頃には子どもたちがふわふわ膨らんだ着ぐるみに飛びついたり、お母さんと一緒に記念写真を撮ったりと人垣ができた。
杉浦さんは愛知県立芸術大学でメディアデザインを学んだ。「人から人へと情報を伝えていくための媒体」を考えるのがその学問の目指すところなのだが、「僕の場合、媒体とか何かをつくること以上に、何をコンセプトにするかが大事でした」といい、選んだのが幼稚園の頃からバードウォッチングに連れて行ってもらい、すっかり魅せられていた鳥だった。

今後もあちこち出没予定

大学3年のときにはそんな鳥への興味が高じて、その殺人キックで世界一危険な鳥としてギネスブックに登録されたダチョウの仲間のヒクイドリを、単身オーストラリアまで見に行ったことも。
スズメ・バルーン(メガチュンと名付けている)は卒業制作で作って学内に展示。当時の役場職員にも頼まれて役場裏の田んぼに登場させたり、アートフェスティバルにも出品した。いまでも各地のイベントに出品すると、その圧倒的な存在感に子どもや大人たちにも人気だ。
杉浦さんは、小鳥の工作教室や巣箱作り、お面作りなど、鳥にまつわるイベントを続々と企画している。
「スズメって、ただ見ているだけで癒されますよね。生きるうえで正しいリズムを教えてくれ、僕にとっても自分をニュートラルにしてくれる存在です」という。今後も長久手のシンボルマークとして、あちこちに出没する予定です。