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長久手から全国へ たくさんの介助犬が 巣立っています

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介助犬総合訓練センター〜シンシアの丘〜

 「社会福祉法人 日本介助犬協会」は、ボランティア団体として発足した1995年から拠点を移しながら活動を続け、最終的には東京八王子にある5階建てのビルを活動の場としました。そこでは障がいのある方々を見学に招いたり、一緒にトレーニングしたりすることができませんでした。もっと活動のしやすい施設をつくりたい! ということで最適な場所を探すなか、白羽の矢が立ったのが長久手。

介助犬とは…?
手足に障がいをもつ人の日常生活をサポートする犬のことです。物を取ってきたり、ドアを開け閉めしたり、着替えを手伝ったり。室内ではもちろん、お出かけのときにもさまざまな動作をサポートする心強いパートナーです。

介助犬は適性を見極められて選ばれ、
お店や車内でのマナーもしっかりと訓練を受けたエキスパートです。
また介助犬と一緒に生活する人も「介助犬の行動や衛生の管理ができる」と認定された人です。

なぜ長久手? というと、理由はいくつかありました。まずは日本の真ん中に位置していること。全国から介助犬を求める人たちが訪れやすい場所であることは重要でした。次に、犬好きな人が多いということ。当時、愛知県は飼い犬の登録数が全国ナンバー1でした。そして何より緑豊かで人も動物も心穏やかに暮らせる環境であるということ。そのようにして選ばれた地、長久手東部の美しい丘の上に2009年5月、日本初の介助犬総合訓練センターが誕生。協会が育成した介助犬第1号、シンシアにちなみ「~シンシアの丘~」という呼び名もつけられました。

介助犬のふるさとのまち長久手でわたしたちが考えたいこと

日本でも介助犬のことが少しずつ知られてきていますが、まだまだこれからの部分もたくさんあります。たとえば、お店や施設に介助犬をつれて入るのに前もって許可が必要だったり、断られたり。障害のある人もない人も同じように毎日を楽しく過ごせるように、他人事ではなく、みんなのこととしてまずは「知る」ことからはじめませんか? そして、この長久手が「介助犬のふるさとのまち」として、日本一、世界一、人にも動物にもやさしいまちになったら素敵ですね。


介助犬のなかま

わたしたち「介助犬」は、目の不自由な方のパートナー「盲導犬」、耳の不自由な方のパートナー「聴導犬」と合わせて『身体障害者補助犬』トリオだよ !


介助犬総合訓練センター ~シンシアの丘~は、こんなところ。

〈犬舎〉
訓練中の犬たちは、ここで過ごしています。
〈訓練室〉
テーブルやたんすなどを使い、日常生活の介助の訓練を行う部屋です。
〈トレーニング室〉
これから介助犬と生活をする人が、介助犬と一緒に寝泊りして訓練を行える部屋です。
他の動物に慣れるため、保護猫たちもいます。
〈シンシアホール〉
見学会や研修会などのほかさまざまなイベントに使用します。

シンシアの丘では毎月1回、見学会を開催しています。訓練犬によるデモンストレーションを見てくださいね!

訓練部長
水上 言さん


訓練犬になるまでは「パピーホーム※」さんのおうちであたたかく育ててもらうんですよ。ボランティアさんも募集しています。

※長久手市近郊の方であることなどの条件があります。

広報
礒貝 歩美さん


お知らせ!

シンシアの丘 開所10周年
ありがとう、これからも共に

日時:令和元年11月1日(金) 午後2時〜午後4時
会場:長久手市文化の家 森のホール

長久手市野田農201番地

見学会の日程、パピーホームボランティアについてなど詳しくは
介助犬総合訓練センター ~シンシアの丘~
長久手市福井1590-51

「介助犬」の伝説的パートナーシップ
〜 木村さん&シンシア

 20代の頃の交通事故が原因で体に障がいをもつ木村佳友さん(兵庫県宝塚市)。あるとき、ふと目にした雑誌で「介助犬」のことを知り、当時飼い犬だったラブラドール・レトリバーのシンシアを介助犬にできないか、と介助犬の活動を支援するボランティア団体に問い合わせました。シンシアはそこで訓練を受け、1996年、介助犬として木村さんの日常生活をサポートするようになりました。また、同時に木村さんはシンシアとともに全国各地へ出向き、介助犬を知ってもらうための活動をスタート。現在も三代目の介助犬デイジーとともに精力的に全国をまわっています。ボランティア団体は、のちに「社会福祉法人 日本介助犬協会」となり、これまでに数多くの介助犬・介助犬訓練士を育成しています。

※ちなみに シンシアの名前の由来は…

70年代のアイドル「南沙織さん(愛称シンシア)」。木村さんが大ファンだったんですって。「ああ!」と思った方、50代以上ですね^^

インタビュー・文/石川多美子