「長久手」と書いてなんと読む? と尋ねられることがあります。実は、なかなか「ながくて」と読めない方も多いのです。地名とは『もともとそこに住んでいる人たちが、自分たちの生活に必要なためにつけたもの』なので、『住民がその土地に、昔からどのような関わりを持ってきたかを知る重要な手掛かり』になるといわれます。
江戸時代末に描かれた『村絵図』や明治時代に書かれた『岩作里誌』、『大草村誌』などの貴重な資料から、長久手の地名や位置を知ることができます。また、これらの資料をもとに平成14年にまとめられた『長久手の地名 総集編』には、地名の由来、暮らしの変遷、長久手に多い名字、お寺や史跡などが紹介されています。
その序文に、『長久手町の都市化による変貌は、『広報長久手』で連載が始まる以前から進んでいましたが、連載期間の18年間の変化は急激で大きいものでした。そのため、連載初期に紹介した地名が今ではまったく違った姿になっているものもあります。(中略)開発の波は町全域に拡大し、加速することが予想されます。本書を読んで、昔の長久手の姿を知り、昭和から平成にかけての地域の変貌の一端を理解して頂ければ幸いです。』とあります。
そして、時代は今、平成から新しい元号に移ろうとしています。これからまた、どんな暮らしがこの地で織りなされていくのでしょう。地名を読み解きながら、その時代や人々の暮らしを想像するのも楽しいですね。
参考:「長久手の地名 総集編」