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人が、より素敵に
変われるきっかけ。
それが「文化」です。

長久手市文化の家 館長 広中省子さん(後編)
35年前から長久手在住。子どものために入ったおやこ劇場がきっかけで、文化活動にかかわる。4月より現職。

インタビュー/石川多美子

アーティストと
市民のコラボレーション

前号では、広中さんのプロフィールや館長公募に手を挙げたきっかけ、また、長年にわたり策定にかかわり続けている長久手市の「文化芸術マスタープラン」などについてお話をうかがいました。後編の今号では、長久手市をますます素敵に輝かせるための秘策、さらには、このまちで、ひとりの母親として子育てに奮闘した経験のある広中さんから、子育て世代の皆さんへのメッセージをお送りします。(写真はすべて8月に開催された「おんぱく2018」のようすです)

広中さんから見た長久手の魅力は?

美術や音楽のプロの方、あるいは専門的に学んでいる方が多く暮らしていて、優れた品質の芸術を生み出すパワーにあふれていることですね。このまちでしか創れない「長久手クオリティー」の文化芸術が何よりの財産だと思います。

その財産をどのように生かす?

3.11の震災以降、あらためて「まちのにぎわい」や「人と人のきずな」を大切にしていこうという動きがあります。そういったにぎわいやきずなを生み出す場として私たち日本人が大切にしてきたものの代表格が、お祭りです。お祭りには歌やお囃子、踊りなどがつきものですが、そういったものこそ芸術の原型なんです。芸術も遊びも「やりたいからやる」もので「~のためにやる」類のものではないところがいいのです。お祭りのように人々が集い、遊びながら一緒にアートを楽しみ、日常のしがらみから心を解放する機会を私たち文化の家が積極的にプロデュースします。人と人、人と文化芸術がもっと仲良しな、真に心豊かなまちづくりのお手伝いをしたいです。

文化芸術の力がまちにもたらすものは?

長久手市は、2017年の国勢調査で「日本一若いまち」ということがわかりました。内訳を見ると、単身の若者と30〜40代の子育て世帯の割合が多い。ということは、学校を卒業したり転勤だったりで、よその市町へ出て行かれる可能性のある、いわば流動的人口が中心なんですね。そういった方々がもしも将来、長久手から離れられたとしても、学生時代あるいは小さなお子さんと過ごした時代のことを「長久手にいた頃は、いろんなものを見て、いろんなことを体験できて、楽しかった!」と思っていただけるようにしたいんです。
また、長久手で子ども時代を過ごした方の中から著名なアーティストが生まれ、「文化芸術のまち長久手」の名が世界中に知られるようになったとしたら最高に嬉しいですね。

一生思い出に残るまちにしたい!

最後に、子育て中の方々に
先輩ママからのメッセージを

子どもが巣立ったあとも、私たちが子どもと過ごした時間、共有した感動はずっと心に残っています。また、子どものほうも豊かな時間を過ごしたことで、「ああ自分は大切に育ててもらったんだな」という実感が持て、それが生きていく自信につながっていると思います。だから、もし今、子育てに行き詰まったと感じていらっしゃったら、ぜひお子さんと一緒に優れた芸術に触れ、ワクワクしたり感動したりする時間を共有していただきたいです。感動を共有すると、心の距離が縮まり、少しずつかもしれませんが親子関係に変化をもたらすはずです。そして何より、「家族のきずな」という一生ものの財産ができます!

「おんぱく2018」 「愛・地球博」前年の2004年に始まった、音楽の祭典。6月から約2ヶ月にわたって長久手のまちじゅうでコンサートなどが催され、フィナーレは8月5日に開催した。