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生きる力を育てる [1] 手を使う

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子ども達に必要なこ
とそれは「生きる力」

文:ながわ けいこ

アトリエを始めて早30年。社会は大きく変化しています。環境破壊、エネルギー問題、食の安全、災害もいつどこで起こるかわかりません。そんな変化の激しい社会を子ども達には逞しく育って欲しいと願います。
しかし今の子どもたちは昔に比べ手を動かすことが出来なくなっています。器用さを誇っていた日本人ですが、残念ながら今はそれがありません。例えば『紐結び』。私がアトリエを始めた頃、4歳で蝶々結びが出来る事は当たり前でした。ところが今は、10人に1人か2人しか出来ないのです。驚かれるかと思いますが、これは現実です。
なぜでしょう。 子どもたちの能力が劣ってしまったのでしょうか。 実はそうではありません。紐結びの練習を繰り返すとほとんどの子はすぐに習得します。ではなぜ今、手を使う事ができなくなったのでしょうか。 原因は、手を使う習慣が彼らの周りになくなった事です。靴紐ですか? 服はボタンついていますか? 瓶の蓋を開ける、蛇口をしっかり閉める、カン切り、栓抜き、マッチで火をつける等、以前は日常生活の中では当たり前にあったこれらの動作は、今どうなっているでしょうか?
街では手を出せば水が出る、扉の前に立てばドアが開き、家でも蛇口やドアノブを回さず、缶はプルトップ、靴はマジックテープ、ランドセルも、面倒な留め金もなく磁石に。家電製品もボタン1つで動かせるようになっていませんか?

木工ヤスリ、金槌、ピンセット…、アトリエでは道具使いは「習うより慣れろ」で4歳から様々な道具を使います

やるかやらないか

アトリエでは6年前から、『長久手市平成こども塾』でもおなじみのART&LIFE自然学校主宰、 愛知県立芸術大学講師の宮崎喜一先生をお招きし、木工、金属、レザークラフト等の本格的な道具を使うプログラムをスタートしました。そして驚くのは子どもたちの成長です。小学校の高学年になる頃には、素晴らしいオリジナル作品を作る子ども達が現れています。現代っ子のセンスの良さと習得する速さは、30年前の子ども達とは比較になりません。つまり違いは「やるかやらないか」です。

手を動かして
心豊かなくらしを

日常生活の中で意識して「手を使う」。こんな事が「生きる力」を取り戻していく方法の一つでもあるのです。手間をかける丁寧な暮らしは、手を動かす日常をとりもどします。そして子どもたちの『生きる力』を養うのです。

【ながわ けいこ】 長久手市岩作でアートスクール「アトリエフラワーチャイルド」を運営。自らの子育て経験や、教室の子どもたちとのふれあいの中で見つけたものごとをFacebookやブログでも語っています。

●ブログ ☆アトリエ フラワーチャイルド☆造型絵画教室
http://ameblo.jp/atelierflowerchild/
●HP http://www.atelierflowerchild.com/

お話会のご案内

はり絵/楓ちゃん(8歳)

テーマ
『生きる力を育てる』とは?
おはなし:ながわけいこ
参加対象:親子 一般
参加費:500円
日時:5月25日(金)10時~正午
場所:長久手市文化の家 多目的室
定員:20名

お申し込み
長久手市観光交流協会まで
電話 0561-63-1111(内線388)

 

絵/侑奈ちゃん(10歳)