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血の池タルト 売り出し中

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GWには「楽歩」が常設販売も


食べてびっくり、名前でドッキリ・・・。「血の池タルト」は、愛知淑徳大学のメディアプロデュース学部石丸ゼミ生が3年がかりで開発したまちおこしスイーツ。県のイベントなどで2回販売され、甘酸っぱさとネーミングの妙に用意した200個はいずれも完売という長久手で売り出し中の人気商品なのだ。誕生秘話を石丸みどり先生に聞いてみた・・・。

長久手の“新名物”

石丸先生はもともと映像分野の専門家で、「映画をコミュニケーション手段として、人と人をつなげるのがテーマ」という。
長久手では2014年に映画「未来(100年後)へのとびら」を制作。「ふるさとフードで地域をつなげよう」をテーマに、学生たちが長久手の伝統野菜・真ま菜なや米粉を練りこんだパン、揚げ菓子の「棒の手チュロス」、日進産トマトを使った水ようかんなどの「ふるさとフード」を考案し、映画のラストシーンで市民エキストラと交流した。

2015年は、フィールドワークや歴史調査を通じて「ふるさとフード」をさらに深掘りし、12月の長久手冬まつりで試食会を開くまでにこぎ着けたのが血の池タルトだ。

長久手市中央図書館の喫茶店「楽歩」やモリコロパークで販売予定。
清洲城を借りてCMも制作した。衣装も本格的。
石丸みどり先生。現在の血の池公園にて。

出すたびに完売

このインパクトたっぷりのネーミングとともに、真っ赤なラズベリーをタルト生地に乗せ、長久手産のイチジクジャムをぬってオーブンで焼き上げた。
2016年には商品化に向けてロゴや包装をデザインし、商品アピールのために清洲城を借りてCMを制作し、Tシャツも作った。
そして11月にモリコロパークで開かれたワールドサムライサミットで初めて1個150円で実際に販売。今年1月のイベントでは1個200円にしたが、いずれも用意した200個を完売する人気商品になった。
石丸先生は「市外からのお客さんには血の池タルトを食べることで長久手の歴史を知るきっかけに、学生にとっては映画やフードづくりは必ず経験値が上がる体験」と話す。

昨年のワールドサムライサミット(モリコロパーク)では、武将や姫に扮して販売。

今年からは、NPO法人・楽ら歩ふで働く障害を持つ人たちがレシピを覚え、中央図書館やモリコロパークの楽歩カフェで販売も計画。早ければゴールデンウイークにもデビューできそうという。長久手新名物「血の池タルト」、見かけたらぜひ一度味わってみてください。

血の池公園

ネーミングの由来となった「血の池」は戦国時代、長久手一帯で徳川方と秀吉方が死闘を演じ、勝利した徳川方がヨロイを大きな松に掛け、血槍や刀を洗ったという言い伝えがある。
もともと「前山池」という名前があるが、「毎年合戦の行われた頃になると、池の水が血の色に赤く染まって漂った」と言い伝えられ、いつの頃からか「血の池」の名前になった。
池は長久手古戦場とともに史跡の指定を受けていたが、周辺の宅地開発で景観が大幅に変わったため、長久手町史によると、文化財保護委員会が1965年12月に史跡の指定を解除したという。
さらに1980年ごろには埋め立てられ、現在は運動広場になっているため池は跡形もない。だが、市は「血の池公園」として、同市城屋敷に堂々とその公園名を残している。

埋め立てられる前の血の池 (長久手町史より)