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人が、より素敵に
変われるきっかけ。
それが「文化」です。

長久手市文化の家館長 広中省子さん(前編)

インタビュー/石川多美子

 全国に約800ある市町のなかで、「住みよさランキング」10位以内に4年連続でランクインし続けている長久手市。その高い評価の背景には、緑ゆたかでおだやかな住環境、交通の便の良さなどといった立地の良さがあることはもちろんです。しかし、理由はそれだけではありません。住む人たちが「楽しい!」「幸せ!」と感じ、「ずっとここで暮らしたい!」と思えるさまざまな魅力が、このまちにはあるのです。

これから雑人では、長久手をより素敵に輝かせるために日々情熱を注いでいる、まちの魅力づくりの立役者たちをご紹介していきます。まず第一回目の今回は、長久手市文化の家の新館長、広中省子さん。市民公募による館長という異色のプロフィールを持つ広中さんの、館長としての夢、意外な経歴や素顔をご紹介します。

館長の市民公募に手を挙げたきっかけは?

館長というものは学識経験者とか舞台芸術の専門家がなるものだと思っていたので、自分が、なんてまったく考えたこともありませんでした。それが、周囲の人たちのすすめで応募要項を見てみたら、新館長に求められているものは経験でも知識でもなく、“一市民としての目線”だと書いてあって。このまちに住む人たちと一緒に文化的な活動を行って、まちづくりに働きかけていく…そんな役割なんだと理解しました。私はたまたま子育て時代に「名東おやこ劇場」「日進おやこ劇場」などの運営にたずさわっていたので、その経験を生かし、ひとりの市民としてまちづくりのお役に立てるのなら、と応募しました。

母になって
人生の流れが変わった

「おやこ劇場」では、どんなご経験を?

「おやこ劇場」は生の舞台芸術や遊びを通じて豊かな心を育もうという会で、全国にたくさんの団体があります。子育て中のお母さんと青年で運営していて、どんな舞台を観るか、どんなワクワクを作るか、常に話し合いながら自分たちで活動をつくっています。みんな最初は受け身でも、わが子のためならだんだんと主体的になっていくこと、意見や立場が違っても「子どもが人間らしく育つために文化芸術が必要」という一点でつながれることを経験してきました。

もともと舞台や芸術文化にご興味があったのですか?

いいえ。むしろ、文化とはほど遠い人間でした。ソフトボールと剣道、学生時代は剣道で全国大会まで進出するような超体育会系でしたし。それが、結婚して子どもが3人、次々と生まれ、そのうえ慣れない土地に越してきて。当時は「イクメン」なんて素敵な言葉はなく、今のようにインターネットを介した子育てつながりなどもなく、一人きりでもんもんと子育てに追われる毎日を送っていたところ、たまたま「おやこ劇場」の存在を知りました。子どもを出しにして夜に堂々と出かけられるの? 楽しそう! ただ、それだけの理由で会員になったんです。もしも母親にならなかったら、芸術や文化にはずっと縁がなかったかも。ましてや館長になるなんて…想像もしなかったです。

長久手市文化の家って、どんなところ?

可変式の大ホール「森のホール」、オーソドックスな「風のホール」、練習や講座、憩いなど幅広い用途にご利用いただける空間の「アートリビング」からなっていて、年間を通して質の高い芸術文化との出会いをご提供しています。人口5〜6万人規模の市町が持つホールとしては、こんなクオリティーの高い施設はなかなかありません。市民のみなさんにとっては、もう当たり前の存在になっている感があるかもしれませんが、たまたま舞台などを観に、よそのまちからいらした方々から「素敵なホール!」「私のまちにもあったらいいな」と、うらやましがられるような施設なんですよ。

どうしたら、その魅力がもっと市民に伝わるでしょうか?

そう。そこが私たちのこれからのがんばりどころなんです。私が20年前からかかわっている長久手の「文化マスタープラン」が、このたび第三次のステージに入り、「文化芸術マスタープラン」という名前になりました。これはわかりやすく言うと、優れた文化芸術の力で、長久手をもっと夢と幸せいっぱいのまちにしていこうという計画書なんですが、そこには素敵な計画がたくさんあるんですよ。たとえば「カフェやショッピングモール、近所の民家や道ばたなどで、いつでもどこでも気軽にアートに触れられるようにする」とか、「子どもの眼が輝くアート、すごいものとの出会いで、子どものセンスを引き出す」とか、「アートで人と人をつなぐ、居場所をつくって絆を深められるようにする」とか。見るだけ、聴くだけの芸術ではなく、参加して体験できる芸術をどんどん発信して、市民のみなさんと一緒にワクワクをつくり出していく文化の家になります!

おんぱく2018オープニングパレードでのひとコマ。
籾山事務局長と。後ろではガレリアコンサートの準備中。

夢いっぱいの長久手の未来が見えてきますね

はい。とにかく素晴らしい計画なので、私たちはこれを市民のみなさんと一緒に実現していくのみです。幸運なことに芸術大学のある長久手は、人口の約1%がアーティスト。そうした方々とも力を合わせれば、本当にすごい「長久手クオリティー」「長久手ブランド」ができると思うんです。(次号後編に続く)

さあ、一緒にワクワクしましょう! 

※後編では、ベテランお母さんという視点から、広中さんの子育て世代のみなさんへのメッセージをお送りします。

長久手市文化の家 自主事業

おんぱく2018
ようこそ、夏の音楽バザールへ

8月5日は フィナーレ!

6月10日(日曜日)~7月27日(金曜日)
おんぱくまちなかコンサート
8月5日(日曜日) 10:30~16:15
おんぱくバザール 文化の家全館